2005年2月22日火曜日

風の地図

佐治晴夫(現、玉川大学学術研究所教授)がかつて教育学部の授業でやっていた「風の地図」を本人の対談集より紹介します。



「、、、二人ペアーで、一人は目を開けて一人は目隠しをして、かなり広いキャンパスのなかを一緒に歩くんです。そこで「風の地図」を作るんですね。目をつむって歩くと、普段感じないものを感じることができて、「風の地図」が書けるんですよ。どこからどんな風が吹いてきて、季節がどうであって、近くを通る電車の音はどう聞こえてきたかと、学生はいろいろ見えないものを感じてくれるんですね。、、、」 (「20世紀の忘れもの」雲母書房)



1/fゆらぎ扇風機の発明者である佐治教授に言わせれば、自然界のあらゆる事象も、自然の一部であるヒトの営みも、ゆらいでいる、のであろう。



風、風に乗ってやってくる香り、音、湿度や気配も刻々とゆらいでいる。一方、それを感受する側の感度も腹が減っていたり、疲れていたり、失恋してたり、とひとそれぞれにゆらいでいる。この授業で学生の描く地図はひとりひとり違ってくるはずだ。(注・佐治教授はもっと理論的に「ゆらぎ」という言葉をつかっている。)
ひょっとして、学生全員の作品を分析すると、共通する部分の割合が1/fだったりして?



因みに、グラフィックデザイナーの杉浦康平は、こうした目隠し地図を「犬地図」と呼ぶそうだ。



「風の地図」のエクササイズは情報の編集過程がつぶさに読み取れて面白そうだと思いませんか。あなただったら、風をどんな直線?曲線?それともそれ以外の方法で?表現しますか?
(中山)



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