「ベルリン・フィルと子どもたち」を観た。とてもよかったので、色々な人に話しまくったら、そのうちの2人はすぐに観にいって、「よかった」話をしてくれた。
ベルリン・フィルの教育プログラム《春の祭典》ダンス・プロジェクトを追ったドキュメンタリー映画だ。原題は“Rhythm is it!”。 世界最高のオーケストラと、ほとんどダンス未経験という子どもたちが共にストラビンスキーの難曲の舞台に挑む。
観ている間も、観終わった後も、「芸術」「教育」「コラボレーション」「音楽」いろいろなキイワードが頭の中をぐるぐる駆け巡るが、中でも「変わった子ども」というキイワードが印象に残った。ベルリンフィルの若き「芸術監督兼主席指揮者」サー・サイモン・ラトル自身が、映画「リトルダンサー」を地で行く経験を持つ、彼の「コミュニティ」では「変わった子ども」だったのだ。
特にフューチャーされている3人のティーンエイジャーはどの子も印象的だが、特にナイジェリア出身で両親を内戦で失ってドイツにやって来たオラインカの言葉が残った。初めの頃の「ドイツには白人しかいないことに驚いた。」と、最後の方の「ここの文化はアフリカほど高くない。だからなんとかやっていけると思うよ」だ。15歳で「コミュニティ」を移るだけで「普通の子ども」が「変わった子ども」になり得ることに気づくということを考えた。
ラトルだったか、振り付け指導担当のマルドゥームだったか忘れたけど、すべて素直に吸収して集団の中心にいつも居る子どもより、周辺に打ち捨てられているような子どもの方が自分の世界にコミットする能力が高いというようなことを言っていた。
すべて当たり前のはずのことがらをこの映画という切り方で観る快感を人に伝えたくなる。
KJとSUZYのおかげで「コミュニティ」「コモンズ」「コモンウェルス」そして宮台がこのところよく口にする「コモンセンス」という言葉について改めて考え始めた。
(松ユリ)
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