2007年7月22日日曜日

研究所企画第24弾 クレイアニメをつくる

メディア・リテラシーは「メディアを読み解く能力」であると思弁的にのみ理解するひとびとはこぞって中澤氏の今回のワークショップを体験することを強く勧めたい。(もう終わっちゃったけど)



粘土をこね、形にし、配置し、撮影する。そして、2007_07200094 撮り貯めたコマを編集し、最後に鑑賞する。このプロセスを全うするには、自分のいくつかの感覚をフル回転させなければならない。 粘土で細工をするときには触覚に力を集中させる。コマドリするときに、ほんの少しずつ粘土を動かすときにも微妙なタッチが必要だ。



上手く配置したと思ってもカメラで覗くと思ったような構図にならず、今度は視覚のフル稼働だ。カメラアングルを変えたり、ズームアップ・ダウンしたり、日頃カメラを持たない自分は普段つかわない頭の部分をつかっているような気がした。2007_07200086



また、今回はシャッターを切るひとと粘土を並べるひとの協同作業なので、シャッターを切る人に「ハイ」と声をかけるのを上手く間合いを取りながらやらなければならない。呼吸を相手にあわせないとうまくいかず、こんなことだって普段おろそかにしていることだ。



そして、なにより難しかったのは短時間でストーリーを組み立てることだ。「さて、自分は何を表現したいのだろう」  自問自答はそこそこにしないととにかく始まらない。まずはやってみることだ。



2007_07200124_1 さんざん苦労したあげく、できた作品があっという間の短さであることもやってみないとわからない。なにしろ10コマ撮って1秒分ですから。







自分なりの感想



1粘土という超アナログメディアとデジタル撮影・編集というギャップがおもしろい。



このギャップがあればあるほど面白いのではないか。 (余談・縄文人は粘土でコミュニケーションしてたのかもしれない。ハート型の太古の粘土が出土したら愉快だろうね。)



2幼児期をとうに過ぎてしまったひとびとにとっては、やっている最中の「きづき」「学び」が多いはずだ。



どんなに周到な用意をしても、予期できないことがある。やってみないとわからない効果などがある。こどもが自然にささっとやってのけることも大人は考えないとできないことが多いのだろう。



3チームワークでやると作業効率がよい。



大掛かりの作品なら集団制作でないと不可能なことが実感できる。





4自分の作品が鑑賞者にどう見られるかワクワクする。



2007_07200151 撮影前から「これは箱庭療法だ」とか「心理分析だ」とか口々にみな発していたが、出来上がった作品に制作者である自分の無意識が反映されていると思うとコワイ部分もある。









2007_07200105



最後に斎藤環「心理学化する社会」から引用。



ーー例えば、写真があるにもかかわらず、わらわれはなぜ写実的な絵画を見たいと思うのか。実写で撮影可能な原作を、なぜわざわざ苦労してアニメーションにするのか。人間を出せば十分なのに、どうして不自然なCGキャラなどを作るのか。そこに「媒介する/される」ことの享楽があるからだ。



そう、媒介する・される楽しみにクレイアニメ制作は満ちている。中澤先生、メディア・リテラシーを考える上でヒントにあふれた楽しいワークショップを開催してくれて本当にありがとうございます。



(中山周治)



2007年6月27日水曜日

研究所企画第24弾 クレイアニメをつくろう!

Photo_3 7月20日(金)6時半からクレイアニメを作ります。(当日は3時半くらいからやっているかも)



場所はいつもの相模原市南新町児童館です。



ねんどはハーティーという軽量ねんどを使います。(用意しておきます。)このねんどは発色がよいので使いやすいです。もちろん固まりますが、今回はやわらかい状態での撮影となりますね。ねんど細工の時間は30分くらい、そのあと撮影をします。カメラは用意します。パソコンとつなげてパソコンに映し出しながら1秒で10コマの撮影をします。人数にもよりますが、みんなが作ったキャラクターが総出演のシナリオにしましょう。せりふも入れたいと思います。(アニメ制作ソフトは「クレイタウン」をつかい、編集には前回やった「ムービーメーカー」を使いましょう。(音楽は用意しておきますね。)撮影は1時間くらいですね。



できたらみんなで作品を見ましょう。



2007年6月25日月曜日

DVD「もうひとつのウサギとカメ~映像のよみときを学ぶ授業~」を視聴して、

 6月の例会がこの春晴れて完成したDVD教材を視聴するものであったので、楽しみにしていた。毎日映画社が制作したものであるが、本研究会の中山さんが企画原案からロケ地の決定・役者の依頼までこなしていて、彼はプロデューサーでもあったのかとさすがに驚いた。Reikai1



 内容は面白かった。40分ほどのDVDは3つに分かれていた。その第1段階は、ウサギとカメのものがたりを紹介して、そこからウサギとカメそれぞれの性格をワークシートを使って生徒に割り出させせる。(ウサギがあほだったり、そうでなかったりと各自各様の印象を受け手が持っていることの気づき)、そしてさらにこの物語のストーリーのどこに着眼したかを絵コンテから選ばせ、その選んだ理由を互いに語らせたりする。(物語りのプロットが受け手によって微妙に違っていることの気づき)そうしたことを気づかせる第一段階がまず面白かった。(つまり人の個性は表現の時だけでなく、対象を受容する際にも発揮されるということ)(感受性が個性的で思い思いであるということがノーマルだということ)Reikai3Reikai2 



 第二段階は、ウサギとカメの話に基づいた現代のショートドラマだ。ウサギをカメのストーリーを無意識に引きずっているので、このショートストーリーを先入観として持って見ている受け手の高校生が映し出され、このドラマを見た後で、ドラマの感想について討議する。ここがこのDVDの狙いである「映像の読み解き」の山場である。(複雑なワークシートはないが、それでいいと思った)



 ウサギ的なデジタル派とカメ的なアナログ派の登場人物の対比的描写、その間の場面転換の池の鯉が泳ぐ映像をいかに解釈するか?というとところあたりに話を持っていく。なにやら小説を扱った国語の授業の映像読み解きヴァージョンの趣である。ここらあたりが、この教材が良くある紋切り型のビデオ教材にない独特の味を引き出しているところである。(しかしそのことが逆にこのビデオ教材を、インパクトの薄い教材にしてしまってもいる。)(そうは言ってもね、そもそもメディアリテラシーを教えるビデオ教材とは何か?を普通に考えてみればわかるだろう。この映像作品自体がメディアリテラシー的批判のサンプル対象となってしまうのであり、メディアリテラシーとはこういうものだ、と断定的に紋切り型に上から物申せば、メディアリテラシーという言葉は学べても、メディアリテラシーの営みそのものの大切さを私たちは教えることができないだろう。)(ここのところなのだ)(このディレンマがメディアリテラシーが教えることで得られる知識やスキルとは違うなにものかだというある種の教育的隙間なのだと思う)Reikai4



 さて第3段階が放送の倫理と個人の倫理、放送の公共性、そしてパブリックアクセスについての学びである。大学教授のインタビューで締めくくられるわけであるが、この箇所は生徒が見たらまず寝るだろうと予測のつく映像である。(権威者の力を使っているのか、実にテレビ的手法だ)



 生徒が他人に公の場で(例えば授業で)映像作品を見せるとなると、プライベートで映像を楽しむのとは訳が違ってくる。その映像作品の作り方も当然初めから違ってこよう。(そもそも公の場で自分のメッセージを伝えようとする衝動、活動、営み、、それを育てるにはどうしたらいいのか?本当はそこが肝でしょ、って言いたい)それがあって初めて伝えるさいに、なにが公共では良くて何がいけないのか?それを生徒が主体的な活動の場で気づいていく学びがないといけないのになあ、と私は最後の最後で思うのであった。一体全体メディアリテラシーとはいったい誰のためのものなんだ?誰が身につけるべき素養としているのか?



 メディアリテラシーを教えることをしようとするとそのほどに、どんどんと生徒の元来持っていたメディアリテラシーの力も素養もそぎ落としてしまうことのないようにしないといけないと思った。(だからあの結論があるんだかないんだかの第2段階のショートドラマが一番メディアリテラシーの本質について学べたようだと思った。)by nakazawa





撮影:小野悦子



2007年6月7日木曜日

研究所企画23弾 6月例会 高校用ML教材を見る

日時 6月22日(金)18:30~



場所 相模原市立新町児童館



小田急線相模大野駅下車徒歩5分 改札左に出てまっすぐ。「相模大野9丁目」信号(アイ眼科前)右折



発表者 中山周治(神奈川県高校教師)



高校での授業用に制作されたDVD教材(約1時間)を視聴し、参加者みなさんで意見交換をしたいと思っています。わかりやすい・面白い・ためになる、そんな教材があればいいなあと思いますが、そもそも「わかりやすさ」「面白さ」「ためになる」ってどういうことなのでしょうか?



2007年5月27日日曜日

5月例会「Know t All 再び」終わりました

KNOW IT ALL の1,4,7巻を高橋先生の解説をききながら見た。英語版字幕なしだったので一部難解?な英訳資料を参考にしつつ見たわけだが、ここでの実践例を日本で展開するとなると、日米の学校教育環境、歴史的な成り立ちがあまりにも違うので難しいと感じた。これは翻訳の難しさとはレベルの違う話しだ。



しかし、それでも KNOW IT ALL で紹介されている実践例は魅力的であり、日本の教育が不問にふしている「何をわたしは知りたいのか」と言う本質的な問いを大切にしている。 例えば1巻で「アートってなんだろう」という問いに主人公の子どもが直面する。この問いを引き出すお膳立てが「芸術祭のために自分の作品を自由に作りなさい」で、、思考錯誤の末、自分がアートだと思う作品を出す。審査員はアートだと認めてくれたが、その見解が正解とは限らない。じゃあ、正解は?



アートとは?教科書に正解がでているわけではない。主人公の体験(美術館を訪問したり、人と話したり)から自分で理解するものなんだ、と。そりゃそうだ、そんなの当たり前だなんだけど、日本の学校教育の場では当たり前ではないですよね。(自戒をこめて)


例えば、映像のプロを養成する学校でも、技術的なところからはいって、つまり自明なアート概念から入っていく(現在の状況)と、いいから時間かけて何か作れつまり、自分は何を撮りたいんだろう?映像の『アートって何?(ひと昔まえ)から入るのではぜんぜん違うわけだ。(齋藤氏談)


映像に限らず、テクニカルな問題に終始して、本質的な問いをしないで済んでしまう教育って問題だ。 だからこそメディアリテラシーも要請されるわけだが、そのメディアリテラシーもテクニカルな問題に終始していないか常に問い質さないといかんのだろうとあらためて思った。(中山)


2007年5月22日火曜日

アニメーションの文化論

メンバーの有吉さんが面白そうな講演会を行います。



是非お出かけ下さい。(その後kmnpasの例会に来るとちょうどです!)



■アニメーションの文化論-切り紙アニメからジブリまで-(日本アニメーション映画のひとつの系譜)



日時:2007年5月25日(金)15:00~16:30



会場:神奈川県立川崎図書館2Fホール



講師:有吉 末充氏(京都学園大学助教授)



司会:鈴木良雄氏(神奈川県立図書館)



詳しくはこちらをご覧下さい。



2007年5月16日水曜日

研究所企画第22弾

5月例会



日時:5月25日(金) 18:30~



場所:相模原市南新町児童館



   小田急線相模大野駅南口徒歩5分



   南口を出て駅を背に直進、3つ目の信号「相模原9丁目」、「アイ眼科」の角を右に入り、左側2軒目です





‘Know It All’ふたたび





報告者:高橋恵美子





 昨年6月例会で行った「アメリカの情報リテラシー教育 “Know It All”ビデオシリーズを見る」の第2弾です。



 昨年は全13巻のビデオのうち、2巻、5巻、12巻を見ました。インフォメーションリテラシー教育に果たす学校図書館及びスクールライブラリアンの役割の大きさ、学びのスタイルの違い、そしてなんといっても子どもたちが政治活動をする姿を見て、インフォメーションリテラシー教育が、民主主義社会を支える市民を育てる視点があることを、知りました。



 今回は1巻、4巻、7巻を見る予定です。1巻「正しい問いをするには」は、テーマを決める、テーマをしぼり込む方法について、4巻「アイデアを出す」はブレーンストーミングを扱っています。巻のねらいはそうですが、1巻の場合は美術の課題で、地域の美術館へ行きますし、4巻では郷土の歴史、ある古いお家がどうやらアメリカ黒人の逃亡を助けた秘密組織「地下鉄」だったらしいのですが、ということで、地域のお年寄りに話を聞くそんな話になっています。7巻「成果を共有する」は発表です。各国で違うシンデレラについて調べて、さあどうやって発表をつくっていこうか、そういう内容です。



 ビデオは1巻15分、全編英語ですが、今回は日本語訳の訳文を用意しています。