CMにはさまざまな手法があるわけで、いちがいにインパクトかコンセプトか?と紋切り型に結論はいえないですね。新製品の宣伝の場合はやはりその性能などを説明することになるのですが、15秒や30秒のスポットCMとなるとやはりイメージ優先となる。と言うか商品そのものもイメージやスタイルなど見た目(これが人間を誘惑するエッセンスのすべてかもしれない。)重視になりがちである。となると短い時間内にインパクトを受け手に与えようとするのが制作者サイドというものでしょう。とはいえ受け手を不愉快にしたり挑発したりするインパクト効果のCMはさすがに少なくなっていると思う。ギャツビーもすごいが、逆に激しくないがアイフルなどもインパクトは強い。サラ金となんら関係ないかわいいチワワと孤独な中年清水氏のそれを見るうるうるのまなざしのみだ。視聴者はあれを見るとどうしてアイフルから金を借りる気になるのかが分からない。(はじめは娘の結婚式での礼服購入、その後一人暮らしッぽい設定になった。。。)分からないところがアイフルCMのすばらしいところなのかも知れない。武富士はポシャッタから。ジャズダンスのほうがインパクトがあり、セクシー度が高く男の目線はビシバシ突き刺さるんだが、踊っていればいいってもんではない。一方プロミスのCMも脳裏に焼きついている。「プロミス」と口ずさむときは、なぜかリズミカルに首が動くkjであった。コンセプトとは?実はここが肝であるらしい。何を消費者に伝えようとするのか?わが社のわが商品は何が売りでありそれをどう伝えようとするのか?その伝達はジッタイのあることなので難しい。あることないことをきらびやかに色とりどりにイメージで描けば言いと言うものでないからむずかしい。企業の実体。そしてその記号であるブランド。ブランド力を高めるための広告やCMの重要性。CMで形成されていく企業のイメージ、商品のイメージ。それが企業の収益力アップにつながる。止めを知らない連鎖がそこにある。マクドナルドのCMが気になっている昨今である。トマトレタスベーコンバーガーのCMがとてもよかった。黄緑色の色調のよさ、それと映像にうまく乗る音楽(楽器はモーグである)古臭いけれど味のある70年代テイストのアナログな音、イイ!!やっぱマクドナルドはCMに命をかけている。コンセプトを前面に出したCMつくりの典型である。あれ見て、食べなくても十分生きていけるわれら日本人(ニッポンジン)もよせばいいのに牛食っいたずらな殺生してる。生活様式から変えていくことで国民にバーガー知らず知らずに食わせていくやり方なんぞ、まさにニコニコ顔のやさしい暴力とでも言っておきたい。やはりマクドナルドはすごいと思う。マクドナルドのCM史を研究するといいかもしれない。(中澤)
2005年3月25日金曜日
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図らずも、さっき投稿したばかりの静岡大学情報社会学部推薦図書の中に、ジョージア・リッツアの『マクドナルド化する社会』があった。
返信削除それから、先日、茅ヶ崎の某小学校の先生に「ハンバーガーショップを作ろう」の授業について詳しくお話を伺う機会があった。その授業自体もすごいが、それを実現させるまでの下調べもすごい。教師も生徒もマクドナルドについてその企業戦略まで知りすぎるほど知ったということは結果ではなくプロセスなのです。実践をまとめた原稿が手元にありますので、興味があったら今度お貸しします。
ハッピーセットでハッピーになろう
返信削除中澤氏が面白いことを書いているので久々に書きます。
マクドナルドのCMを最近見かけないので的外れだったら笑い飛ばしてください。マクドナルドのCMといえば、有名人が出てこない。印象的なコピーがない。つまり、フツーでリアルな世界を作り出しているってことか。もちろん、フツーなんだけどステキだというメッセージをフツーにやったのでは、フツーなんだということがバレバレになってしまうのでコンセプチュアルな世界をつくることに尋常でない注意と金を注いでいるのでしょう。(かつて、誰か忘れたが、年配のひとがマクドナルドのことをパン屋と言ったのには目から鱗だった。あの人にはハンバーガーのオーラは通じない。ただのおかずパンなんだろうな。)
で、この路線は、TVCM創成期以来の主流から逸脱しているんじゃなかろうか。有名人を出すのが一番なんだけど、それが適わないなら、なんとか気の利いたキャッチコピーで勝負する。あるいはジョルトの類でとにかく視聴者になんらかのインパクトを与えるといのが大方のCMだった。もちろん昨今、演出はいろいろだけど、有名人が一番というのは、変わらない。視聴者がどんなに賢くなって「宣伝文句にはだまされないぞ」とCMを相対化してても「キムタクが宣伝してるから買ってあげようかな」といった心情は普遍的である。
こう考えると、有名人なし、キャッチコピーなしのマクドナルドは凄いと思う。
ただし、生身の有名人はでないけど、有名映画、アニメキャラはこの限りでない。
マクドナルドのCMの世界はディズニーランドのようなもんで、ちょこっと訪れるぶんにはいいが、住むようなもんではない。とっても美しいディストピアだ。宮台の読みすぎでディズニーとくるとすぐネオコン的世界と連想してしまうのだが、「そんなかんがえなくてもいいじゃん」という大方の声が聞こえてくる。あしたはハッピーセット食べてハッピーになろう。
遅れましたが、コメントします。
返信削除マックのCMは検討材料にしたいと思っています。しかし、なかなか集められません。ある一定の考えに沿ってCMを集めるのって、けっこう難しいのです。実はこのこと自体、CMの放送の仕方などとの関連でおもしろいテーマだと思っています。
マックのCMについては、ハンバーガー等の商品が出てこないものと、出てくるものがありますね。「ドナルドのうわさ…」というコピーもおもしろい。子ども向けのオマケも、ディズニーやポケモンなどのCMを一緒にやってる。とにかくあの手この手といろんな手法を使っていますよね。