2007年10月22日月曜日

10月例会報告:「館」メディアってやっぱり「人」なんだよね

今回はプレゼンテータの小山紳一郎氏の本拠地 あーすプラザを会場に、「館」メディアについて考えた。

まず、情報フォーラムをツアーする。Imgp2292Imgp2293ここでは国際理解、多文化共生という切り口で集められストックされた情報を市民にサービスしている。
図書や雑誌ばかりではなく、教材も借りることが出来る。



各自治体・学校で作られた多言語リーフレットやパンフレットが言語別にファイリングされている。Imgp2304Imgp2303すぐに役立つ生活情報に特化した多言語ファイルも充実している。 軽い打ち合わせが出来るコーナーも、定期的に日本語講座や外国語講座、あるいは教育相談を行うスペースもある。
そして、NGO情報アーカイブである。市民活動の貴重な記録として、NGOニュースレターをアーカイブしているのだ。
ニースレターなど、消失しやすい紙メディアをアーカイブ化する意義は大きい。現在索引のデータベース化がすすめられている。

続いて、小山氏のプレゼンテーションを聞く。Imgp2306 前半は、地球市民かながわぷらざの施設運営の考え方、後半は公共空間を面白い場にするために何が出来るか ということなのだが、とにかく一言でまとめるのは困難な芳醇な内容が詰まったプレゼンだったのだ。



印象に残った言葉を並べることにする。

■情報を届けるということについて 

情報を届けるには通り一遍に置いておいてもダメ。資料を手渡しして説明することで、初めて情報が届く。人が最大のメディアだ。
キイパーソンを通してインフォーマルネットワークを活用する。
エスニシティの特性を使って、それぞれのメディアや彼らが集まる場面で情報を届ける。

情報は「生命線」だ!
情報を出すことで、潜在的な情報ニーズが掘り起こされる。供給が需要を生む。
例えば、opac的なものを用意してキイワード検索出来るようにしてもこれは「待ち」に過ぎない。プッシュ型の供給を行うこと。プッシュ型は、もっと個人的な「印象」をblogで発信するようなこと。ここに需要が生まれる。

■図書館員に欲しい視点
住民の潜在的な情報ニーズに応えているか
住民とは誰か?

「生き物」としての情報が自然に集まるか
ネットワークを日頃から増やしているか?
書籍情報は古い。最先端の情報は市民活動の中にある。

情報を「フロー」ではなく「ストック」と捉えているか

何だかんだ言って、図書館や博物館はポテンシャルがある。NPOセンターは資料の量が少ない。ポテンシャルのある場所で働く図書館員を生かさないのはもったいない!
図書館員はもっと身体的、共感的に「住民」を知ることを目指すべき。
とにかく一緒に何かやるといい。演劇的ワークショップとかいいかも。

■公共「館」を面白くするために
働いているスタッフが仕事を面白いと思っているか
館のトップが熱いか、ネットワークを豊富に持っているか
組織原理に捉われない自由な発想、異なる価値観(=風)が吹き抜けているか

さて、

感想を聞くと、参加者それぞれに自分に引きつけて感じ入る言葉があったようだ。
そういう意味で議論にはならず、共感の空気に満ちた会になった。
図書館情報学の院生や留学生、普段は遠くて参加出来なかった方など、初参加メンバーが多かっただけにもう少し公共空間を面白くするためにはどうしたらいいかということに絞って参加者の意見を聞きたかったと後で思ったが、例によって時間切れで、みんなで場所を移してわいわいやって、インフォーマルネットワークがそこで生まれたから、ま、いいか。

考えてみれば、kmnpasがインフォーマルネットワークメディアそのものなのだった。

(松田ユリ子)

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