高校の社会科系科目でメディアリテラシーの授業をどう展開するか。その意義と方法に関するレポートだった。 まずは現状把握ということなのだが、高校での実態を調査した先行事例がどこかにあるのだろうか?寡聞にして知らない。神奈川の高校175校について調査した鈴木氏の報告はその嚆矢かも知れない。貴重な報告である。
鈴木氏は神奈川県内高校のシラバスを検索しただけでなく、アンケート、そして授業担当者に聞き込みしている。聞き込みからは現場でそれぞれに工夫していることがよくわかる。メディアリテラシーの教科書や単元がわるわけではないので、教える側のメディア・リテラシーが問われることになる。
鈴木氏の立ち位置は、社会科系科目(地歴・公民+その他)の中で教えるメディアリテラシーであって、「メディアリテラシーの育成はそのこと自体を主目的に授業を構成するのではなく、具体的な場面に即して行う必要がある」(鈴木発表レジュメ)という認識に基づく。科目であるからして、評価がつきまとうが、「現状のように、一定期間内に一定の評価基準に照らして評価をすることは困難であるといえる」(鈴木発表レジュメ)
となると、従来からある調べ学習、例えば時事的な問題の課題発見解決学習と、メディア・リテラシーの差異化をどう図るかが課題となってくるであろう。教える側に、マスコミ批評を超える視座、情報のコンテクストやコードへの突っ込みが意識化されていないと、従来の調べ学習と本質的には変わらない。
現行の実践事例を集めて、分析することの意義は大きい。鈴木氏の今後の研究成果の発表が楽しみである。 今回の例会も大いに議論が盛り上がりました。(中山)









